ふもとは春、山頂は冬
ちょっと前の話になるのですが、1月の末の週末に、近所の山にトレッキングに行きました。
首都ティンプーにある、シンチュラと呼ばれる峠をまわるトレッキング。
15キロメートルぐらい、標高の一番高いところで3100メートルくらいです。
今日は、いわゆるエキスパートと呼ばれるブータンで働く外国人グループ+ブータン人仲間で行ってきました。
振り返ってみると国籍は全員違い、スペイン人、アメリカ人、イギリス人、スイス人、オランダ人、ブータン人、日本人。
なかなか愉快なグループでした。
1月も末になると、なんだか急に春の陽気。
陽ざしもあたたかく、トレッキングをしていると汗ばむくらいです。
「いや〜気持ちいいねぇ〜」「むしろ暑いくらいだよ」
なんてはしゃぐ一向。
素晴らしい風景。
さらに登って行くと、道端に雪が。
「わぁ、まだ雪が残ってるよ!」なんてまたはしゃぐ。
そして・・・・
さらに歩き続けると・・・
そこには、全く違う世界が広がっていました。
全てが雪に包まれた世界。
音さえも、雪に吸収されてしまい、静寂が広がる。
深い、深い、森。
まるで、物語の中にいるような。
神秘的な世界。
あまりの深い静寂の森に、声も出ない。
こんな世界があるんだ。
この深い雪の森の世界に、息を呑み、
しばし空間にたたずんだ後、また下界に戻りました。
下界は、相変わらず、こどもの笑い声や犬の遠吠えがひびく、春の装い。
あの一瞬の、静寂の雪の森は、なんだったんだろう。
不思議な体験をした1日でした。