2011年5月より、羽田からブータンへ!深夜羽田発翌朝ブータン着!



さて、先日からずっと心に隠し持っていた、素敵なお知らせを発表できるときがきました!!


その前に少し前ふりを。


よく、ブータンに興味があるものの来たことがないという方にお話を伺うと、こんな声を聴きます。

  • 「ブータンってどうやって行けばいいのかわからなかった。 よく頼む旅行会社に聞いたけど扱ってなかった」
  • 「ブータンって行きにくそうだよね。せっかくの休みだから、なるべく楽しめる時間を増やしたいので、ついつい近場や便利な場所に行きたくなる」
  • 「いつかは行ってみたいとなんとなく思うのだけど。いざ行く場所を決める段階になると、やっぱりバリみたいな、行きやすい場所になっちゃう」

一番最初の、どうやって行けばいいかわからない、いつもお願いする旅行会社さんに聞いてみたけどブータンを扱っていなかったというお話。

この状況は、実はだいぶ改善しつつあります。

この前のエントリで紹介したように、ブータンはパッケージツアーでも個人旅行でも行かれます。

また、直接ホテルが、航空券も含めて旅をアレンジしてくれるとこともあります。

参考:「ブータンって面白そうだけれど実際どうやって行くのよ、と思った方へ」



また来年はさらに、みなさんがよく知っているような旅行会社さんから、ブータンツアーが出てくる予定です。

ブータン来たいなぁと思った方、ぜひ上ののエントリや、右端に出ているリンクなどを参考に、旅行会社さん・ホテルさんに聞いてみてください!

パッケージツアーでしたら、他の国とまったく一緒ですし、個人旅行を手配してくださるところはどこも手馴れているので、さっくりできてしまうと思います。






はてさて、問題は、ブータンへのアクセスの方。





ブータン旅行をあきらめたというある観光客の方は、こうおっしゃっていました。


「ブータンってさー、

 日本からの直行便もないし、乗り継ぎも不便だし、行きにくいんだよねぇ。

 どこ乗り換えだっけ?バンコク?そこで一泊するんでしょ?

 どうせ旅行に行くなら、ゆっくり楽しみたいから、

 なるべく現地でゆっくりできるよう、移動時間はおさえたい。

 そうするとブータンってやっぱり、

 ハワイや、バリ、カンボジアみたいな、他に行きたい場所と比べると、

 遠いんだよねー

 遠いんだよねー

 
 遠いんだよねー


 遠いんだよねー 」






(注:最後の方は、私の頭に響いたエコーです)






「そりゃ、ハワイやバリに比べれば遠いです。

だって、ヒマラヤだもの 」




とのどまで出かかりましたが、そのことばを飲みこみ、

真摯にこの問題に向き合うと、たしかに不便ではあるのでした。




日本からブータンに来るにはバンコクで乗り継ぐ必要がありますが、この接続が悪い。

このため、バンコクで一泊する必要がありました。

東京からくる場合、東京を昼過ぎに出発して、成田からバンコクへ。

そこでバンコクで一泊し、翌朝のフライトでブータンへ。

ブータンに行くには、丸一日かかるのでした。





・・・たしかに遠い。





うーむ。 

どうにかブータンが近くならないものか。

そしてもっと便利に、日本のお客様に来ていただけないものか。

うーむ、うーむ。

ブータン人とうなりました。





うーむ。






そして、


ついに!!!

本当にブータンが便利になる日がやってきました!!!!!




来年5月17日より、毎週月・木・金、羽田からブータンにいらしていただけるようになります!!!!

しかも使えるのは、JAL、ANA、タイ航空!!!!!






そしてこれにより、

バンコク泊が不要に!!!

成田に比べて旅程が8時間近く短縮!!!!!!




※最新のフライトスケジュールは、必ず旅行会社にご確認ください
ドゥルクエアウェブサイトはこちらhttp://www.drukair.com.bt/




なんと深夜羽田発で、翌朝にはブータンに到着してしまいます!!!!

夜中に東京を出て、一晩あければそこはブータン!!!!! 

幸せの国に到着です!!!!




※最新のフライトスケジュールは、必ず旅行会社にご確認ください
ドゥルクエアウェブサイトはこちらhttp://www.drukair.com.bt/


ちなみに帰りも、バンコク泊なく深夜便でスムーズに羽田から帰れてしまいます。

帰りは、ちょっとバンコクで買い物もできちゃいます♪




そしてそしてなんと!!!

あのハワイやバリ、カンボジアなんかよりも、移動時間の無駄のない、便利な場所になってしまうのです!!!!
(ハワイ・バリなどは羽田発の場合、深夜発で翌昼現地着です。もしくは成田発や日中移動になります。ブータンは、深夜羽田発で翌朝現地着が可能です)








ブータンまさかの大逆転。



いきなりとっても便利な場所に大変身です。

これまで、「ちょっとブータン遠いかも・・・」と思われていたみなさんにも、

もっと気軽にブータンに遊びにいらしていただければ幸いです。




さらに、5月まで待てない、もう一刻も早くブータン行きたい! という方へ。

実は1月末までは、ブータンの航空会社であるドゥルクエアが冬期スケジュールで運行しており、

今から1月末までも、深夜羽田着翌朝ブータン着ができてしまうのです!!

ただし、帰りは成田からになるか、どうしても羽田…という場合は一泊バンコク泊になります。




※最新のフライトスケジュールは、必ず旅行会社にご確認ください
ドゥルクエアウェブサイトはこちらhttp://www.drukair.com.bt/



さて、最後に。

このようなお話をすると、必ず受ける質問があります。

でもそんなにブータンが便利になると、観光客が増えすぎちゃって、ブータンのよさがなくなっちゃわない?



それは、ごもっともなポイントです。



そして、ブータン政府がもっとも気をつけているポイントでもあります。

ブータンにとっては、この手つかずの自然・文化・暮らしこそが宝であり、

観光客が増えすぎてそれがなくなってしまっては元も子もないと、思っています。

観光も大事ですが、それ以上に、自分たちのこの手つかずの自然と文化が大事であると、

そう信じている国であるともいえます。

そしてその空気を、できれば、他の国の人にも楽しんでいただきたいと。



観光客が増えすぎない工夫は、実はいたるところにあるのですが、

ひとつわかりやすい例をあげます。

実は、いまブータンの空路を担っているドゥルクエアという航空会社は、国営の会社です。

政府は、ドゥルクエアの機体の数なども把握しています。

ブータンの観光客は、限られた近隣地域からの観光客以外は、空路でやってきます。

そして政府がこの空路を抑えているため、マックスで何人観光客がブータンに来る可能性があるかを常に把握していています。

逆に言えば、「これぐらいの観光客の方々には、来ていただいて大丈夫」という分だけ、フライトを用意している。

なので、「うっかり宣伝しすぎて、急に観光客が100倍になっちゃって、すっかりブータンが観光客だらけになっちゃった!」

というようなことは起こらない構造になっています。

ご安心ください :-)




というわけで、すっかり近くなりました、ブータン。

ぜひ、お休みがとれた時にでも、

ゆっくりブータンにいらしてください :-)

※最新のフライトスケジュールは、必ず旅行会社にご確認ください
ドゥルクエアウェブサイトはこちらhttp://www.drukair.com.bt/




そんなブータンへの行き方はこちら

ブータンでひとりクリスマスモードにしてみたけれど

ブータンはチベット仏教を深く信仰している国です。

生活に根付いている。



昨日ご紹介したダライ・ラマの言葉なども、日常において特別なものではなく、

みんなの生活に染みわたっています。

参考:「今日のダライラマ」



先日車に乗っていてラジオをつけると、

「ダライ・ラマの教えにもあるように、〜だよね!」と、若者DJが気軽にダライ・ラマに言及しており、

あぁブータンらしいなぁ、と思いました。

私の仲良し同僚も、デスクにペタッとダライ・ラマの写真を貼っています。

参考:「同僚のデスク」


さて、そんな国なので、ブータンでは12月も20日になったというのに、

クリスマスの影なんてみじんもありません。



町を歩いても、

クリスマスソングもなく、

イルミネーションもなく、

にっこり笑うサンタのおじさんの顔もありません。




浮ついた空気、あおるような空気は一切なく、

今日もブータンには、

静かな、冬の町があるだけです。




こんなに静かな、クリスマス前の町は初めてかもしれない。

落ち葉が散り、風が冷たくなり、

「寒いねぇ」「急に冷え込んだよねぇ」

などと言いながら、みんな背を丸め、そそくさと家に帰ります。






静かな冬です。




でも!

やっぱり、日本育ちの私にとってはクリスマスはクリスマスです。

なんかあまりにもクリスマスがないと、

一度明るく晴れがましくワクワクする気持ちになるものがないと、

年を越せる気もしないというもんです。




ということで、今日はひとりクリスマス気分になるために、

クリスマスっぽいキラ(ブータンの女性用民族衣装、仕事のときは要着用)で仕事に行くことにしました。


今日のキラは、これ。



写真だと色がわかりにくいのですが、これ、恥ずかしくなるぐらいの、コテコテのクリスマスカラーです。




テェゴと呼ばれるジャケットは、深緑色のベルベッド地のものです。

それに、濃い赤のウォンジュ(ジャケットの内側に着るもの、エリ・袖からのぞく)と、

ブータンの伝統的な風合いの、深い緑と赤を基調にしたボーダーのキラ(スカート)です。

そして胸には、金色の王様バッジ。

この王様バッジは、現国王の戴冠記念のもので、毎日つけてるのですが、

なんか今日のキラの組み合わせにつけると特にリスマスっぽい気がする!!

ひとりテンションが上がります。




日本だと、あまりに露骨過ぎて、

12月20日に私服でこんなクリスマスカラーの服を着て町に出ることは、

きっとためらってしまうと思うのですが、

あまりにクリスマスのかけらもないブータンにいて少しクリスマスシックだった私は、

キラでこんなにクリスマスっぽい雰囲気を出せたことに大満足。



もう朝からすっかりクリスマス気分になり、

意気揚々とこれを着て職場に出かけました。



ひょっとして、ひょっとしたら、このクリスマスのかけらもない職場でも、

「あ、今日のキラ、クリスマスカラーだね」

「そうか、もうすぐクリスマスか」

なんて会話があることを、心のどこかで期待しながら。



職場に着くと、何人かが声をかけてくれました。

「あ、新しいキラ?」

でもそれ以上の感想を持つ人はいませんでした。




笑って席に着き、仕事をしながら、

静かに、ひそやかに、

クリスマスの話題を待つ私。

部屋の一角で、全身からひとりクリスマスオーラを出しながら。



しかし待つこと丸一日。

クリスマスの話題は出てきませんでした。



あきらめかけた、夕方。

チャンス到来!



今日は欧米のコンタクト先に連絡とっても、不在の自動返信が返ってきちゃうね〜

みんないないね〜

なんでだろうね〜




という話題。



なぜなら、


それは、


クリスマス休暇だから



すると、ひとりの同僚が思いついたように言いました。



「あぁ、だってそれはあれだよ」



そうです、あれです、クリスマスです。



「もうすぐ、あれだからだよ。



 えーっと、えーっと、えーっと、



 欧米でお祝いする、



 あの・・・・12月25日のやつ!





・・・・・・。



それは、クリスマス。





ふと、異国の地にいるということ、チベット仏教の国にいるということを、

痛感しました。



クリスマスの名前も出てこないのでは、

私がいくら緑と赤の服を着てたって、そりゃだれも、

「お、クリスマスカラーだね!」

なんてピンとくるわけはないってものです。





日本人は、けっこう節操なく

楽しいイベントはどの宗教・どの文化のものもはしゃいでお祝いしてしまう気がしますが、

ブータンの人は、本当にしっかり、ブータンの文化とチベット仏教に沿って、

一年を生きているのですね。




ブータンの暦では、1月1日も元旦ではないので、

いまは何も浮足立ったものはなく、

ただ静かな冬を迎えています。



落ち葉がちり、霜がおり、

寒いねぇと言い合い、

犬も人間も背中を丸めてそそくさと道を歩いていきます。



そんな、静かなブータンの冬をしっとり楽しみながら。



でも今週はあと何回かこっそりと、クリスマス・キラを着よう、

とひそかに思った12月20日でした。




そんなブータンへの行き方はこちら

今日のダライラマ

今日みつけた、ダライラマのことば。


All of Bhuddha's teashings can be expressed in two sentences.


"You must help others"


And "if you cant't help, you should not harm others."


HH the Dalai Lama

ブッダの教えは、たった二つのことばで表せる。

「ひとを助けなさい」

「助けられないのなら、少なくともひとをきずつけてはいけない」

である。

ダライ・ラマ






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民族衣装キラの布を買いに行く、の巻

ブータンでは、仕事などオフィシャルな場では民族衣装の着用が義務付けられています。

男性用はゴと呼ばれる、ひざ丈の着物のようなもので、

女性用はキラと呼ばれるロングスカートとジャケットみたいなものです。




公務員の私も、日ごろは民族衣装のキラを着て仕事をしています。

女性用の民族衣装をまとめてキラと呼んでしまうのですが、

実際は民族衣装は3つのパートでできています。

  • スカート部分     : キラ
  • ジャケットの上着部分 : テェゴ
  • ジャケットの肌着部分 : ウォンジュ








ただ、主役はスカート部分のキラなので、女性の民族衣装を呼ぶ時に、キラとテェゴとウォンジュ、と呼んだりしないで、まとめて「キラ」と呼びます。

ぜんぶ着ると、キラはロングスカートのような感じで、その上にテェゴとウォンジュを羽織る形になります。

テェゴの色が上着の色となり、首まわりと袖に、ウォンジュの色がのぞきます。



またキラ・テェゴ・ウォンジュは、洋服のようにいろいろなデザインの出来合いのものが売っているわけではなく、

基本的に布屋で布を買い、仕立て屋に行って仕立ててもらうのが主流です。

以前、仕立て屋さんでウォンジュを仕立てる様子はご紹介したので、

「民族衣装はこんなところで仕立てます」


今日は布選びをご紹介。




まず、キラ・テェゴ・ウォンジュはそれぞれ布の種類が違うので、

バラバラに選び自分で組み合わせます。



で、


この組み合わせ方にひとつ重要なルールがあります。



それは、テェゴ・ウォンジュの色は、キラの布に含まれている色である、ということ。



それができてないといけない、ということではないですが、

これができていないとわかってない人の着かた、になってしまう。

たとえば私がお店であわない色の組み合わせで買おうとすると、


だいたいおじちゃんやおばちゃんが

「それじゃ全然だめよ!わかってないねぇ」とか言って売ってくれなかったりします(笑)




というわけで、テェゴ・ウォンジュの色はキラに含まれている色から選ぶのが鉄則です。

だいたいキラの布というのは、カラフルなボーダー系の柄かチェックで、

テェゴ・ウォンジュというのは、それぞれ単色なので、

カラフルなキラの色から一色ずつ、テェゴとウォンジュに使う色を選ぶイメージ。



このルールが満たされた上で、キラ・テェゴ・ウォンジュが全体としてバランスよくコーディネートされている。


これが単純そうで、なかなか難しい。


たとえばこの手前のベージュのような色のキラ。





ぱっと見、たとえばこのキラと、その奥にあるこげ茶色のテェゴなどあいそうなのですが、

これはアウトです。

ベージュのキラの中に茶色も含まれてるように見えるのですが、

よく見るとその茶色はもっと薄くて、色目が違う。

(布屋のお兄ちゃんも、これはダメだ、と言って売ってくれない)


たとえば、同じこのベージュのキラと、この紫色のテェゴ。





これはキラの中の紫色の刺繍とテェゴの色が同じなのでOKです。

でもこの紫色のテェゴにしてしまうと、今度はウォンジュの合わせ方がむずかしい。

ウォンジュもキラに含まれている色なので、この場合オプションは、

キラと同じベージュか、キラに含まれている深緑か、うすい茶色。


うーん。


正直どれもいまいち。

まずテェゴとウォンジュが両方濃い色だとメリハリがなくてあんまりよくない。

どちらかが濃い色ならもう一色は薄い色の方がかっこいいので、深緑はアウト。

(特に今回はキラの色が薄いので、上のテェゴとウォンジュが両方明るい色だと上が重たすぎてしまう)

そうするとキラと同じベージュか薄い茶色なのですが、

紫のテェゴの生地の色がわりと明るく光沢もあるので、どうも微妙な色目とあわない。。。。

(注:この写真で見ると、青系のわりと落ち着いた紫に見えるのですが、実際はもっとピンクの入った派手な色の紫でした。この写真で見ると、茶色とあわせても悪くないですね、、、)




うーん。






と、店中のテェゴとウォンジュの生地を引っ張り出して、

お店のおじさん・おにいちゃんと一緒にうーんとひととおり悩んだ挙句、

今回はこのベージュのキラには、深緑色のベルベッドみたいな生地のテェゴ、

そしてキラと同じベージュのウォンジュをあわせることにしました。



むー。パーフェクトではないけれど、そこそこ、でしょうか。


(ちなみに私の一番のお気に入りは、プロファイル写真と同じで、このエントリの最初の方にも写ってる、水色系統のコーディネートです。でもこれは晴れ着なのでふだんは着ません・・・)



とまぁ、ひとつキラのフルセットの色を考えるだけでもなかなか大変なのです。

パズルみたいな要素すらあります。

これに加えて、さらに他のテェゴとのローテーション・・・・とか考え出すと、なかなか難しい。

でも難しいからこそ、楽しいのです:-)



ちなみに、お祭りのときなどはみんな晴れ着を着てくるので、さすがにだれをみてもバシっと決まっているのですが、

参照:「ブータンのお祭 − ティンプーのツェチュ」


  


普段着を見ると、私のような外人の視点からすると、

「え、たしかにそれ、キラの中には含まれてるけどさぁ・・・・そう、あわせちゃうんだ・・・・」

みたいななんともちょっと微妙な取り合わせで着ている人もよく見ます。


全体としてバランスがとれているか、色があっているか、かっこいいか、よりも、

例の、「キラに色が含まれてるルール」の方が優先されてしまって、

いい組み合わせがないときは、トータルでださくてもいいからルール尊守!という勢いの印象を受けます・・・笑 



ブータンにいらっしゃって、なんとも微妙な色の取り合わせのキラを着ている女性を見かけたら、

その布の色目をよく見てみてください。

きっと、全体としては微妙でも、ちゃんとテェゴとウォンジュの色はキラに含まれている色であると思います・・・笑


そんなブータンへの行き方はこちら

ブータンでみつけたトイレの表示



ブータン人はだれも気にも留めない、さりげない表示。





いいのですが。。。。





別に、いいのですが。。。。





こういう風に、表現するのですね。。。。。






 




別に、いいのですけどね。。。。




そんなブータンへの行き方はこちら

ブータンって面白そうだけれど実際どうやって行くのよ、と思った方へ



最近ブログやツイッターでブータンのことを書くようになり、多くの方から、


「ブータン面白そうだと思うのだけれど、観光で行かれるものなの?」


「どうやって行かれるの?」



などのご質問をいただくようになりました。
そういえば、私はブータンでのことは書いているものの、どうやってここまで来るのかてんで書いていなかったなぁと思い、
ここに少し書いておこうと思います。


まず、上記の質問への答えは、


「ブータンにはもちろん、観光で来られます!ただ手配の仕方などが少し独特です。

 ブータン旅行を扱ってる旅行会社に直接連絡してみてしまうのが一番早いと思います!」

といったところです。



でもここでも少し、ブータン旅行の概要について、簡単に書いておこうと思います。



今日のメニュー

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  1. ブータン旅行の手配の仕方
  2. ブータンへの行き方
  3. ブータン旅行で独特なこと
  4. おすすめなブータンの楽しみ方
                                                                • -

1. ブータン旅行の手配の仕方

ブータン旅行は、旅行会社を通して手配できます。ブータンに来るのにはビザが必要であり、ビザの申請は旅行会社が行うことになっているため、パスポート片手にふらっと立ち寄る、ということは難しく、事前に旅行会社を通して旅を手配します。

具体的には、

  • 大手旅行会社などから出てるパッケージツアーに参加する
  • ブータンの個人旅行を手配してる旅行会社に頼んで旅をアレンジしてもらう

という2つの方法があります。

ブータンの観光はいろいろ手続きだとかルールが複雑で、調べ出すとよくわからなくなってしまって心が折れそうになるのと、

調べても結局手続きをやってくれるのは旅行会社なので、

私はいつも自分の家族や友人に聞かれても、「まず旅行会社に連絡して、相談して、全部やってもらうのが早いよ」と言ってしまっています(笑)

ツアーに参加すればもちろん他の国と一緒ですし、個人旅行を手配する場合も、ブータン旅行を出している旅行会社はどこも手馴れているので、リクエストに応じて手配してくださると思います。

以下、いくつかブータンを扱っている旅行会社をご紹介します。
私がブータン旅行を扱っていると把握できている旅行会社で、かつ、担当の方にご許可いただけたところを掲載しています。


(クリックすると該当ページに飛べます)


[パッケージツアーメインの旅行会社]


[パッケージツアー・手配旅行両方扱っている旅行会社]


[手配旅行メインの旅行会社]



また、ブータンのホテルの中には、ホテルに直接問い合わせると、航空券の手配まで含めて、全て旅をコーディネートしてくれるところもあります。(ウェブサイトは英語ですが、日本人スタッフが対応するため、日本語でお問い合わせいただけます)


[旅行を手配してくれるホテル]



※その他掲載希望のある旅行会社の方は直接お問い合わせいただけますと幸いです







2. ブータンへの行き方

ブータンへは、タイ・インド・ネパールなどの空港から、ドゥルクエアというブータンのナショナルフラッグのエアラインで来られます。
(オレンジの龍のマークの、かっこいいエアライン。スチュワーデスさんがシックな民族衣装を着ていて素敵です)


日本からは来るには、タイがもっとも便利で、日本からいらっしゃる方のほとんどがバンコク経由かと思います。
成田からいらっしゃる場合は、一晩バンコク泊になりますので、バンコクで少し遊んでから来られる方が多いようです。


せっかく羽田が便利になったので、ぜひ羽田からもブータンに来ていただけるようにしよう!

ということで、2011年5月より、羽田からバンコク経由でブータンにいらしていただけるようになります!!
深夜羽田発、早朝バンコク乗り換えで翌朝にはブータン着です。

詳しくはこちらをご覧ください。
「2011年5月より、羽田からブータンへ!深夜羽田発翌朝ブータン着!」





3. ブータン旅行で独特なこと

ブータンの観光では大きく3つ、独特な制度があります

  • 公定料金
  • ガイド・ドライバーの同行
  • 旅程の事前確定


まず、公定料金

ブータンの観光では、1日200ドルの公定料金がかかります。これをよく、200ドルは滞在費に追加して払われるものと誤解される方がいらっしゃるのですが、200ドルは滞在費込みの料金です。ホテル代、レストランでの食事代、ガイド・ドライバー代、レンタカー代・・・・などすべてこみこみです。おみやげを買う、ホテルをアップグレードする、など追加でお金がかかることをする場合以外、基本的にはこの200ドルを払っておけばお財布を開ける必要がない、そんな代金です。
パッケージツアーの場合はツアー代金に含まれていますので、追加で払う必要はありません。


つぎに、ガイド・ドライバー

基本的にブータンの旅行では、ガイドとドライバーが同行します。そもそもブータンは公共交通インフラが整っていないブータンでは、車とドライバーがいないと移動が難しい。ブータンでは旅の間中、専属ドライバーがつき、車を運転してくれます。またガイドがいつも案内してくれます。

ブータンのガイドは、もちろん他の国のガイドと同様、建造物の説明や宗教や歴史の話などしてくれますし、困ったことがあるとなんでも対応してくれる頼もしい人でもあるのですが、でもなんといってもブータンのガイドの一番の役割は、現地の人との橋渡しであることと、ブータンという国の語り部であること、かと思っています。

英語が通じる国と言っても、地方に行ったら、おじいちゃんおばあちゃんたちは、やっぱり英語は話せない。でも彼らにこそ、この国の文化や歴史、考え方が詰まってる。そんな彼らの話を引き出してくれるのがガイド。

また、ブータンを通り過ぎすだけでは見えない、その国の暮らし、生き方を語ってくれるのがガイド。どんな家で生まれたのか、学校はどんなだったのか、最初にできた恋人はどんなだったのか、いつ家を出たのか、いま国の変化を見てどう思うか。

そんな話をしてくれるのが、ガイドです。
たとえば私がこのブログに書いているようなこと。そういうことを、話してくれるのが、ブータンのガイドです。まさに水先案内人。
ぜひ、いろいろ聞いてみてください。


最後に、旅程の事前確定

ブータンの旅行では、事前におおまかな旅程を決めます。何日目にどこに行くか、など。これに基づいて、旅行会社が通行許可証を事前に取得したり、ホテルや車を手配したりしています。ただ、今日は北海道行こうと思ってましたが京都にします!というような変更はむずかしいですが、小さな変更にはフレキシブルです。どうぞガイドに相談してみてください :-)




4. おすすめなブータンの楽しみ方

最後に、おすすめなブータンの楽しみ方を、少しだけ。

ブータンには、本当にたくさんの魅力があります。



ヒマラヤの手つかずの自然。

いまも生きている伝統文化。

チベット仏教の盛大な祭り。



私も、観光政策などの仕事もしているので、こういったもののプロモーションもしています。

でも、本当は、心の底で思うのは、

まぁそういうのもいいけれど、


ありのままのブータンを楽しんでもらえれば、

きっと一番いいんだろうな


ということ。


たぶんそれが、きっとなによりも素敵で、興味深くて、面白いことなのではないかと、感じます。

この国は、人の見た目も雰囲気も、文化も自然も、一見日本にそっくりです。

なつかしさすら感じる。

でも、なにかが決定的に違う。

そういった違和感を、もたれるんではないかと思います。



日本の、ミラーワールドというか。

ありえたかもしれない、もうひとつの日本の姿、Another Storyというか。

そこまで言うと、極端かもしれませんが。笑



この国にきて、自然体で、ありのままのブータンを見て、

そういったものを味わっていただければ、

よいのかなぁと。



きっと、ガイドにも、ドライバーにも、レストランのお姉さんにも、飲み屋で隣に座ったおじさんにも、田舎のおばあちゃんにも、

とっても面白いものが詰まっている。




そんな国だと思います。


「足るを知る」ということ−ブータン人の視点から


※この日記は「月収3万円でもJill Stuartのサングラス(1.5万円)を買うブータン人」の続きです


以前、友人たちのお金の使い方をみて、考えるところがあって、「月収3万円でもJill Stuartのサングラス(1.5万円)を買うブータン人」という日記を書きました。


自分の稼ぎをもとに買うものを考えるのではなく、ほしいものをポンポン買っていく友人たちを見て、

急にモノに関する情報が得られるようになり、目の前に実際にモノが並ぶようになったブータンの人たちは、

ひょっとして、目の前にあっても、買えないものがあるということを、知らないのではないか、と。



その後、これについてブータン人と話しているうちに、



あぁ、私が彼らの行動がよくわからないように、彼らには彼らの視点があって、彼らから見たら、私たちの行動はよくわからない

私は片側からしか、ものが見えてなかったなぁ



と思い、ブータン人から見たときの、「足るを知る」ということについて、できる範囲で、書いてみようと思いました。



私には、最終的に、彼らの視点はわかりきれない気もするので、

ブータンの人が言うには、という形で、あるブータンの人と私の会話をそのままご紹介したいと思います。

もしまだ「月収3万円でもJill Stuartのサングラス(1.5万円)を買うブータン人」を読んでいらっしゃらなかったら、先にそちらを読んでいただくことをおすすめします。

  • -

先日夜飲みに行っていたとき、友人の友人である、ブータンのちょっとインテリな人に会いました。

環境系のコンサルをしていて、ブータン政府だとか、アジア開発銀行などのアドバイザーをしている人です。

その人と、ブータンの若者のお金の使い方について話していたときの会話です。

  • -


  「かくかくしかじかで、なんだか、日本人の私にとっては、今のブータンの若い人のお金の使い方は少し違和感があって、大丈夫かなぁと、思ってしまいます」



おじさん  「へー、そうか。でも月収の半分でも、そのサングラスがかっこよかったら、買うというのは、僕にはとても自然なことに感じるけれど。その方が、人生楽しいじゃない」



  「そうなのでしょうか。でもそうやっていったら、いつか、破産しちゃうように思って」



おじさん  「そんなことないよ。人生の中には、稼ぎより多く使うときと、少なく使うときがある。いつか帳尻があう」



  「欲望って、どんどん大きくなるのではないかなと思って。たとえば、いま3000円のジャケットを着て満足していたとして。1万円のすごくかっこいいジャケットをみつけてほしくなり、買う。それを気に入っていても、翌年、2万円のかっこいいのを見てしまい、ほしくなって買う。そして5万円のもっとかっこいいのを見たら、またほしくなって買う。そんな風に、欲望って大きくなるのかなと。そしていまブータンの若い人は、身の丈で止めずに、欲望が大きくなるのにあわせてどんどんよりいいものを買っていく感じなのかなと」



おじさん 「そりゃそうだよ。1万円のジャケットより、2万円のジャケットの方がかっこよかったら、買う。さらに5万円のジャケットがかっこよければ、それは買う。そういうものでしょ」



  「そうしたら、やはり、欲望はどんどん大きくなって、身の丈を超えていく。昔はよかったかもれないけれど、情報が増える中で、『足るを知る』ことが難しくなるのではないですか」





おじさん  「それは違う。だいたい行きついたところで、いつか気づくんだよ、結局ジャケットなんて、どれもあったかければ一緒だってね」



  「そうなんですか。いつ、そう気がづくのでしょう」



おじさん  「みんなね、『だいたいこのへんまで行ってみたい』と思っている欲望の範囲みたいなものがあるんだよ。欲望は無限なようで無限じゃない。そこまでは、若いうちは特に、探検してみたい。我慢しないで、そこまで行ってみたい。でもそこに到着してみると、あぁこんなものか、と気づいて、身の丈まで、その欲望の範囲は縮むんだ」



  「その『だいたいこのへん』って、どのへんなのでしょう」



おじさん  「それは各自が自分で決めるのだけれど。中ぐらい。ほどほどのところ。中ぐらいの生活をせよと、ブッダも言っている」



  「そうなんですね」 (仏教はよく知らないものの、とりあえずそういうものかと思ってみる)



おじさん  「そうなんです」



  「でも、物質的には恵まれているはずの先進国の人間は、その、中ぐらいなり、欲望の範囲なり、終点なりがわからなくて、どんどん、どんどん、進んでしまい、物質的に恵まれていても、『足るを知る』ことが難しくなっているのかなーと。現状になかなか満足できなかったり、欲望を追求して、たとえばサブプライムやカード破産が起こったり」



おじさん  「それがね、興味深いよね。僕もね、同じ問題に興味があって、考えてるんだ。なぜこの人たちは一定のところで『足るを知る』ことができないのだろうと思って。でもずっと観察して、ずっと考えているのだけれど、どうしても、わからない。精神構造が違うとしか、思えない」



  「精神構造が違う、ですか」



おじさん 「きみもわからないのかもしれないね」



  「たしかにわからないかもしれない」



おじさん 「じゃぁね、一番簡単でシンプルなたとえをするよ。若いころはね、すごく異性ににモテたいと思う。付き合いたいと思う。だけどずっと欲望が広がり続けて、何百人何千人と付き合ったりするわけじゃないでしょ」



  「はい」



おじさん  「それに、たとえば一番かわいい、一番かっこいいといわれている人が、自分に一番の人であるわけでもない。ずっと熱を上げて、夢中になって、追いかけていても、そして付き合えたとしても、ふと行きつくところまで行きついたとき、なんで自分はこの人にこんなに夢中だったんだろう、と思ったりする」



  「ふむ」



おじさん  「若いころは、遊びたいと思っても、ずーっと一生かけて、遊び続けるわけではない。ある程度のところで、ふーっと落ち着いて、自分の身の丈に合った、自分が一番落ち着ける人と、結婚したりして、落ち着いていく」


 「はい」



おじさん 「そのあと少し遊んだりもするけどさ(笑)」



  「(笑)」 (ブータンのMBAを思い出す)



おじさん  「欲望というものは、本質的にそういうものなのだと、思っている。だからね、僕から見ていると、どんどん手に入る情報・目の前のモノが増えるのにつれて、欲望も大きくなってしまって、「足るを知る」ということができなくなる状態の方が、理解できないんだよ」



  「そうかもしれない」



おじさん  「ブータン人は、大丈夫だよ。僕たちには、チベット仏教の教えが深く根付いている。我慢をしないでよく遊ぶ、楽しく暮らす。そしてある程度のところで、自然に足るを知って、落ち着いていく。昔も今も、なにもかわらない。欲望というものは、本質的なもので、得られる情報の量だとかでそう簡単に変わるものではない」




そういわれてみれば、そうなのかもしれない。

モノに対しても、ヒトに対しても、欲望というものは、人間が根源的にもっているもので、本質的には今も昔もなにも変わらないのかもしれない。

「足るを知る」ことも。

そしてブータン人にはブータン人の、欲望との付き合い方があるのかもしれない。




また、ブータン人には、日本人の気持ちをすべて理解することはきっとできないだろうと、日本人が自然に思うように、

たぶん私たち日本人も、ブータン人の気持ちを、100%理解できるわけではないのだろうなぁと思う。

自分が理解できないことがあると、自覚しておくことは、いつだって大切だと思った。



最後に、ブータン人が信仰するチベット仏教の、ダライラマの言葉を紹介して終わります。

「足るを知る」について。




If one's life is simple, contentment has to come. Simplicity is extremely important for happiness.

His Holiness the Dalai Lama



もしあなたが質素に暮らしていれば、きっと充足感を得られるでしょう。シンプルでいることは、幸せでいるために非常に重要なことなのです。

ダライ・ラマ


写真は同僚(三十路女子)の机に貼ってある、ダライラマ。(でも彼女こそが、Jill Stuartのサングラスを持っている)


そんなブータンへの行き方はこちら