初雪の日、おめでとう!
昨日の夕方ぐらいから、ぐっと寒さが増し、
夜から、しんしんと雪が降り始めました。
夜10時ぐらいに、山の上の家に帰り着いたときには、
暗い中、辺り一面が白くなっているのがわかりました。
翌朝起きると、家の周りは真っ白。
わお!
首都ティンプーの、初雪です。
雪の中、るんるんと山を下りて、町にある職場に向かいました。
職場につくと、入口で同僚たちがなにやらわいわいたむろっています。
私が来るなり、みんな満面の笑みで教えてくれました。
「ねぇ、聞いた!? 今日、初雪で祝日だって!」
そう、ブータンでは、初雪の日は祝日になるのです。
初雪の日、おめでとう!!
初雪がふると、自治省がその日を祝日として発表し、
ニュースなどで報道されます。
でもその日の朝に祝日と決まるので、みんな知らずに出社し、
こうやって、口コミベースでみんなに広がるのです。
首都であるティンプーも人口10万人程度。
小さな国だからできる、祝日認定の方法かもしれません。
初めて初雪の祝日について聞いたとき、雪がふったらお休みなんて、
まるで、ハメハメハ大王のいる南の島みたいだな、と思ってしまいました。
冬は仕事が4時までで〜♪
雪がふったらお休みで〜♪
ハメハメハ〜 ハメハメハ〜 ハメハメハメハメハ〜♪
しかし、ここには誤解がありました。
ブータン人ののんきさから、
てっきり、雪がふったら寒いからお休みになるのかと思ったのですが、
そうではなく、これは雪を神聖なものとして捉える文化と、
また、今年も雪が降り天候が順調にめぐっていることへの感謝から、
祝日にするとのこと。
ちょっと素敵な祝日でした。
(ちなみに、ブータンは冬は公務員の仕事が4時までなのは本当)
でも実は、今年の「初雪の日」には曰くがありました。
これが、初雪の日の、首都ティンプーの町中の写真。
私の家がある山のてっぺんあたりには、たくさん雪がつもっていたのですが、
なんと町中にはほとんど雪がつもっていなかったのです!!
雪は、路肩にほんのちょっと見受けられる程度・・・。
うむー、これで初雪の日かぁ。
自治省の大臣も、山の上に住んでいて、
てっきり町にも雪がつもってると思ってしまったのでしょうか。
・・・なぞです。
ちなみに、今日は初雪の日で祝日になったのですが、
たまたま首相・大臣たちも集まる大きな会議があり、この会議の関係者たちは働いていました。
首相・各省の大臣が一堂に集まるのはなかなか大変なので、予定変更できなかったのです。
ブータンの首相は、非常に聡明で、仁徳があり、またユーモアに富んだ方なのですが、
この日首相は、会議の始まりのあいさつ・閉めのあいさつなどで何度も、
「みなさん、今日は、自治大臣が初雪の祝日の宣言をしたにもかかわらず、
集まってくださりありがとう。
まぁ、町にはほとんど雪は見受けられませんでしたが」
とコメントし、みんな苦笑。
自治大臣は、肩身を狭くしていました。(笑)
議論は極めて真剣なのですが、
内閣の議論であっても、はしばしでこんなユーモアを忘れないところも、
ブータンらしいかもしれません。
ほとんど雪はなかったのですが、
なんだか楽しい、初雪の日でした。