民族衣装はこんなところで仕立てます

ブータンでは、今でも公の場では民族衣装の着用が義務付けれられています。仕事をするときなど日本ではスーツを着る場では民族衣装を着るイメージ。このため平日の昼間などは、町は民族衣装だらけです。

男性はゴと呼ばれるヒザ丈の着物のような民族衣装、女性はキラと呼ばれる巻きスカートのような民族衣装に、ウォンジュ・テェゴという羽織を羽織っています。私のプロフィール写真で言うと、薄い水色の部分がテェゴ、内側に着ている青い色の部分がウォンジュです。

私もブータン公務員ということで、日ごろ民族衣装を着て仕事をしています。

民族衣装は町で買うのですが、出来合いのものが売っているわけではなく、布屋で布を買い、仕立て屋さんで仕立ててもらいます。
特に首都に住むティンプーっ子は、だいたい自分のお気に入りの布屋が何軒かと、毎回布を持ち込む仕立て屋が1軒ぐらいあるようです。

私は今日は、先日仕立て屋さんにお願いしたウォンジュ(下に着る羽織。プロフィール写真でいうと青い部分)を取りに行きました。

これが私がひいきにしている仕立て屋さん。ひっそり立っている小屋のようなところ。灯りがもれています。


今日も無口のおじちゃんがいるようです。


「おじちゃんこんにちは」今日は私がカメラを向けたので、しばらくじっとしてポーズを撮ってくれました。(これはおじちゃん的には写真用のポーズ)


中はこんな感じです。笑い声が絶えない職場。


ウォンジュを仕立てているところ。


お店のムードメーカー。


このミシンから民族衣装が仕立てられます。足踏みのミシンです。


これが出来上がった私のウォンジュ。自分で選んでおいていうのもなんですが、いい色です。いろんなキラとあわせやすい。


ムードメーカーのお姉さんが手際よくウォンジュをたたんでくれました。



このウォンジュ、1着縫ってもらって50ヌルタム。日本円にして100円。こちらの物価はだいたいイメージ日本の1/5なので、日本の感覚では500円ぐらいで1着作ってもらえるイメージでしょうか。

どうなんでしょう、この感覚。私には、仕立て料はずいぶん安いなぁと感じます。ちなみにウォンジュの布は大体200ヌルタム(400円)、日本の金銭感覚だと2000円ぐらいでしょうか。

恐らく物資の少ないこの国は、農作物・畜産物を除く「モノ」のほとんどは輸入なため比較的高く、一方で国内の人件費が安いため労働集約的なサービスは安いのかなと思います。この布も、すべて国内産のもので作られてはいないだろうと思います。

日本だと、人件費が高く、物価の安い国から輸入するモノは安いので、モノ・サービスの値段の感覚は日本とは大きく違うように思います。

あと仕立て料がこんなに安いのは、デザイン部分に差別化要因がないからというのもあるのかもしれません。民族衣装はどれもだいたい同じ形です。差が出るのは布と着こなし。仕立ては大体同じです。(すこーし違ったりはしますが、洋服ほどのバラエティはないです)

いつもとてもお世話になってる仕立て屋さん。場所も寒そうだし、なんか安くて悪いし、今度焼き菓子の差し入れでも持っていこうかな、なんて思った11月の夕方。
外に出ると風が冷たいです。


また今日はご紹介できませんでしたが、布屋さんもなかなか面白いので、今度ご紹介します。
どのキラとどのテェゴ・ウォンジュをあわせるかなど、着あわせがこれでなかなか難しいのです。。。

ではでは